「DX化」という言葉が広く聞かれるようになりましたが、企業のDX化に合わせて社内の学習体制を見直すことも必要です。
そこで昨今注目されているのが「リスキリング」ですが、このリスキリングがどういった意味を持つのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事ではリスキリングについて、基本的な意味や事例、導入するメリットなど幅広く解説しますので参考にしてください。
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目次
リスキリングとは?なぜ今注目を集めているのか
リスキリング(Re-skilling)とは、DXと呼ばれる技術革新や新しいビジネスモデルの取り入れに対して、必要となるスキルや知識を学び直すことを指します。
DX化によって新しい技術や知識が導入されると、大幅な変化が生じるため、それに対応できるように社内の人材にもデジタル技術などについての学び直しが必要となります。
DX教育と呼ばれることも多いリスキリングですが、必ずしも同一のものではありません。ですが、多くの企業でDX化が進む近年では、DX化に対応するためのスキル習得、学習のことを指す場合が増えています。
リスキリングが注目されている理由
2020年に開催されたダボス会議において、リスキリングについて、第4次産業革命において注目されているDXの加速に対応するために、より多くの人に良い教育、スキル、仕事を提供しようという話題が上がりました。
このように、今後ますます進んでいくであろうデジタル技術の発展において、仕事の進め方も大きく変わる可能性が高いため、それに対応できる人材の育成、学習環境の構築が注目されるようになったのです。
DXによって新たな価値を創造していくためには、技術だけでなく従業員の能力やスキルの再開発が必要不可欠であり、労働者側にとっても今後の社会で生き残っていくために欠かせない取り組みと言えます。
DXというとエンジニアやプログラマーなど専門職だけが対象となるイメージを持たれる方もいるかと思いますが、リスキリングは企業にとっての創造価値を根本から変化させるという意味合いを持つため、営業やマーケターなど全ての人材に適用される取り組みとなります。
リスキリングと合わせて理解すべきリカレント教育とは?
リスキリングと混同されがちな言葉として、「リカレント教育」というものがあります。
リカレント(Recurrent)とは、日本語で「繰り返す」「循環する」といった意味を持つ言葉で、リカレント学習とは教育を受ける期間と仕事に戻る期間を繰り返す点が特徴的です。
リスキリングは企業に属しながら業務と並行して学習するのに対して、リカレント学習は、学習する期間は一度仕事から離れて大学などの教育機関で集中して学ぶという点に違いがあります。
リスキリングを取り入れた国内企業の成功事例
ヤフー株式会社の事例
検索エンジンやニュース配信サービスなどで知られる、日本でもeコマースの最大手企業であるヤフーでは、全従業員にあたる8,000人に対して業務でAIが活用できるようにリスキリングを実施しました。
グループ全体の目標として、世界をリードするAIテックカンパニーになるという目標があり、AI技術を通して付加価値の高いサービスの提供を目指します。
2023年までには全従業員へのリスキリングを実施する予定で、AI人材の拡充によって新事業の創出につなげます。
トラスコ中山株式会社の事例
屋外作業現場で使用する機具などのプロツールカンパニーとして有名なトラスコ中山では2020年8月にDXに関する戦略推進の方針を打ち出しています。
DX推進に取り組む企業の中でもいち早くアナログからデジタル移行を進めており、デジタル戦略強化の一環として次世代リーダー候補の研修を取り入れています。
他社のDXに精通した従業員とともに、デジタル技術を活用した新規ビジネスの創出のための研修を行い、研修で習得した知識をもとに新規プロジェクトを立ち上げるといった実践に活用できる研修プログラムに取り組みました。
さらに、全従業員がDX化に対応できるように、DX推進に必要な知識・スキルを持った人材を各支店に配置するといった取り組みも行っています。
トラスコ中山は、こうした取り組みが評価され、経済産業省・東京証券取引所が共同で選定している「DX銘柄」に2年連続で選定されています。
キヤノン株式会社の事例
キャノン株式会社は2021年の経営方針説明会において、産業機器や商業印刷、メディカル分野などと現行事業との融合によるDX化で新たな事業領域を開拓すると発表しました。
新規ビジネスの創出に伴い、デジタル技術に精通した人材の増員、非デジタル人材に対するリスキリングを開始しています。
デジタルカメラ事業など一部の事業が市場縮小の影響を受けていることもあり、成長が期待される市場の関連事業の強化としてリスキリングを取り入れました。
リスキリングを社内で導入することで得られるメリット
スムーズに仕事を進めることができる
リスキリングは社内人材に対して実施するため、学習を通して新しい知識・スキルを身につけた従業員が、すぐに新しいスキルを業務に活用することが可能となります。
既にデジタル技術に精通した外部人材を採用するよりも、既存事業の概要や業務プロセスに慣れている社内人材にスキルアップしてもらう方が、よりスムーズに仕事を進められるようになるため、事業を流れに乗せやすいというメリットがあります。
従業員の会社への満足度が向上する
リスキリングは企業が強制的に学ばせるのではなく、あくまで従業員の意欲的な学習姿勢が前提となって実施されます。
そのため、リスキリングを推進することで従業員のキャリア形成の支援にもつながり、会社への満足度向上が期待できます。
従業員満足度向上は、結果として企業の成長にもつながるため、とてもメリットの大きいものです。
人材不足の解消
リスキリングを取り入れることで、デジタル人材をはじめとした専門職・技術職の不足を解消できます。
この先10年以内に、事務職や生産職が溢れると予想される一方で、専門職は大幅な不足が起きると言われており、社内でリスキリングを行うことでデジタル人材の育成が可能となり、来たる人材不足に対応できるようになります。
リスキリング導入をスムーズに行うための基本ステップ
リスキリングを取り入れるための基本ステップを紹介します。
経営戦略をベースとした人材像やスキルの選定
リスキリングを取り入れるには、まずは事業戦略に基づいた人材戦略を決定し、その人材を育成するためにはどんな人物像、スキルが求められるかを明確にしましょう。
想定したスキルが現在社内にはない場合、リスキリングで習得することとなります。
教育プログラムの決定
リスキリングで行う学習方法の主な手段としては、対面での研修やオンラインでの学習サービスの利用、eラーニングなどがあげられます。
また、大学で開講されている社会人向けのリスキリング教育プログラムや養成講座に参加したり、外部ベンダーが提供している学習コンテンツを利用するといった方法もあります。
自社の従業員が学習しやすい方法を選択肢として提供することで、より効果的な学習が可能となります。
実際に取り組んでもらう
プログラムの用意ができたら、実際に取り組んでもらいますが、リスキリングは、大学などに通って学習に専念するわけではなく、あくまで企業に属しながら実施するため、社員に対する負荷がある点には注意が必要です。
強制的ではなく、本人の意欲を尊重した上で学習を進めさせるのがポイントです。
学習状況を見ながら、定期的に本人と面談を行い、キャリア観とのズレが生じていないかを確認、モチベーション低下につながる要因があれば積極的に改善していくことが重要です。
リスキリングを社内体制に組み込み、人材の成長を加速させよう
リスキリングについて、基本的な概要や導入するメリット、事例などを解説しました。
リスキリングへの取り組みは、企業・人材にとって今後の生き残りに大きく影響するため、積極的に取り組んでいきたいものです。
しかし、専門的な知識・スキルを有した人材がいない場合、内製だけでは難しい可能性が高いため、外部の研修プログラムを活用するといった方法も視野にいれると良いでしょう。
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